萬福寺が開創されたのはなんと1661年。
インゲン豆の由来でもある、隠元隆琦(いんげんりゅうき)という中国の有名な禅宗のお坊さんが居ました。隠元さんは招かれて来日した数年後「中国に帰る」と言う中、幕府を筆頭とする日本側に強くお願いされて開いたのが萬福寺です。
なのでお堂や庭の造り、お寺内に祀られている像に細かな装飾、お経の読み方はもちろん作法、提供される精進料理までもが普茶料理(ふちゃりょうり)と呼ばれ、その全てが中国式なのです。
禅修行体験も用意されており、多くの学校や企業が参加されています。かくいう筆者も学生時代に行事の1つとして経験しました。内容は座禅、写経、法話(お坊さんのお話)、食事作法等です。
残念ながら現在こちらの修行体験は個人での申し込みは出来ず、団体のみ可能です。ですが落ち込む事なかれ!きっと多くの人の1番の楽しみである普茶料理は3日前の午前中までに予約さえすれば、萬福寺の境内にある黄龍閣にて誰でも頂けます。
「五観の偈(ごかんのげ)」という考えを念頭に置いた精進料理は、萬福寺では普茶料理と言います。普茶料理とは平たく説明するとこうです。偉いとか貧しいとか関係無くどんな人も平等に机を囲んで、仏さんが与えてくれるものに感謝しながら、楽しく料理を平らげましょう、という意味です。
そして「五観の偈」とは、①この食事が、多くの人々や生命に支えられていることに感謝します。②自らの行いがきちんとしているかどうかを反省して、食事をいただきます。③食事の量や内容にかかわらず、正しい心で残さずいただきます。④食事は身と心の健康を保つための、一番の薬です。⑤自分の仏道修行、目標、責務を成し遂げるための食事です。このように日々忙しく過ごす中で忘れがちな、当たり前の事を思い出させてくれる5か条なのです。
堅苦しい話はこれぐらいにして、皆様が1番気になるであろう料理の内容ですが、精進料理なのでもちろん動物性の物は一切使用しない、いわゆる完全菜食、ヴィーガン料理です。味付けは驚く程に多彩で、植物性の食材だけだとは信じられないくらいにボリュームたっぷりです。かつ中国料理ならではの旨味や香りが溢れんばかりで、目も舌もお腹も満たされるご馳走です。
メニューは税込3,300円の松花堂弁当、期間・数量限定の特別普茶プランが税込み5,670円です。写真は特別普茶プランの物で、料理以外に萬福寺の拝観料、写経用紙、マスク1枚、朱印(布袋尊)、お線香1本(肘下くらいの長さの特大サイズで、萬福寺内にて焚けます)がセットになっています。
・アクセス
〒611-0011 京都府宇治市五ケ庄三番割34
電話番号 0774-32-3900(普茶料理の予約もこちらから)
京阪宇治線黄檗駅から徒歩5分
JR奈良線黄檗駅より徒歩5分
萬福寺への地図はここからどうぞ
・駐車場
萬福寺大駐車場があります。普通車の場合最初の90分500円 超過30分毎に200円。普茶料理の食事客は無料。
駐車場への地図はここからどうぞ
・営業時間
拝観 9:00~ 17:00(受付、朱印所、売店は16:30まで)
普茶料理 11:30 ~ 14:30(13:00までに着席)
次の週末の午後は美味しい普茶料理に舌鼓を打った後、広い境内を散歩しながら自然の奏でる音に耳を傾けて、4世紀前にタイムスリップしてみませんか?
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